2013
長野県軽井沢のカラマツ
“はいはい”“よちよち”の頃から家族のように生涯を共にする道具を想定した収納箱。正方形の箱を通常の開閉の固定観念に捉われないかのように、切り抜いた二つの箱の形状に支点を創り「引いて」から「回す」、「回して」から「押す」という動作手法によって箱は開閉する。また、二つの箱には異なるポケットや引出しの“部屋”を創ることで「枠」に収まらない動きや遊びを見つけていく中で、子供たちの新しい自由な発想と感性が育まれると考えた。互いの箱を繋ぐ支点を木のネジとし、脱着することで変形や破損の修復が可能となった。単に「モノ」を収める機能のある箱が長い年月を経て、時として眺めているだけで心が癒され、温かい気持ちが蘇る「モノ」となることを試みている。